2017年09月25日
コラム
整備のアドバイス
整備のアドバイス~エンジンオイルについて~
自分でお車を持たれている方なら一度は聞いたことがある「エンジンオイル」という言葉。
車業界の人間は「とにかくオイルと水(冷却水)」というくらい重要なメンテナンス項目です。エンジンオイルの役割とは何か?、いつどのように交換すればよいのか?といった基本的な事柄をまとめました。
そもそもエンジンオイルって何?
エンジンオイルとは潤滑油だといわれます。エンジン本体は様々な金属部品の集合体で、動かすとガチャガチャと金属同士が擦れあい、あっという間に壊れてしまいます。
そのためにエンジンの摺動部にオイルを使います。これがエンジンオイルです。オイルがあれば滑りますし、擦り減りも最小限ですみます。また、エンジン内部は非常に高熱なので(800度近くまで上昇するときも)冷却する効果もあります。それ以外にもエンジンの燃焼や回転運動によって生ずる様々な汚れ(スラッジ)を吸着・分散する洗浄効果や内外温度差によって生じる水分から錆付を防ぐ防錆効果などがあります。
なぜ交換が必要なの?
エンジンオイルはオイル=油ですから熱には弱いのです。高熱にさらされると分解しますし、最悪燃えてしまいます。長期間高温にさらされますと、潤滑に必要な粘り(粘度といいます)が減り、潤滑機能が低下します。またスラッジを取り込む量にも限界があり、それを超えるとエンジン内部にスラッジが定着し性能低下や破損につながる恐れが出てきます。そのため、交換が必要なのです。
いつ交換すればよいの?
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トヨタ自動車が指定している交換時期は距離15,000kmまたは1年以内(シビアコンディション※の場合7,500kmまたは半年以内)となっております。(ターボエンジン車やディーゼル車、軽自動車は異なります)オイルの劣化具合は見た目では非常に判断が難しく、また使用状況によっても異なってくるため「距離」「使用期間」で判断します。
我々トヨタ販売店では5,000kmまたは半年以内でお勧めしています。(スマイルパスポートでもこのペースとなっております)これはエンジンの故障の原因で一番多く、かつ一番深刻なダメージとなるのがエンジンオイルだからであり、またエンジンオイルは早めの交換に対するデメリットが無いためです。
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※シビアコンディション
一般的な使われ方よりも厳しい状態で、部品の劣化が通常より著しく進行することがあります。悪路や高地の走行が多い、1回の走行距離が短いなどの使用状況の場合「シビアコンディション」として別の交換基準を設けています。